先日、新築の見積書をどう見るかという話を書きました。今日はその続きで、リフォームの見積の話です。
新築とリフォームでは、見積のつまずきどころが少し違います。新築は仕様書があって、これから作るものの中身が先に決まっています。リフォームは、そこにすでに建っている家があります。この違いが、金額の差になって出てきます。
複数の会社から見積を取ると、金額に大きな差が出ることがあります。同じ工事名なのに数十万円違う。なぜそうなるのか、よくある5つを書いておきます。
1. 「浴室リフォーム」の中身が、会社によって違う
同じ「キッチン交換」「外壁塗装」「浴室リフォーム」という名前でも、そこに含まれる工事は会社ごとに違います。
別途になりやすいのは、既存設備の撤去と処分費、壁や床の下地補修、電気工事、給排水工事、搬入経路の養生費、それに諸経費です。
新築なら見積書に一式が並びますが、リフォームは「今あるものをどうするか」の費用が抜けやすい。総額を比べる前に、どこまで含まれているかを聞いてください。
2. 必要な工事が、そもそも見積から抜けていることがある
新築で「掘ってみないと分からない」のが地盤なら、リフォームでは壁や床を開けてみないと分からない部分がそれにあたります。柱の腐り、シロアリの被害、配管の劣化、断熱材の不足。築年数が経っているほど、出てきます。
大事なのは「追加工事は絶対に出ません」と言い切ってくれることではありません。事前に調査をしたうえで、どういう場合に追加が出るのかを先に説明してくれるかどうかです。
3. 商品名が同じでも、仕上がりが同じとは限らない
見た目が似ている建材でも、耐久性や断熱性能、お手入れのしやすさは違います。そして同じ商品を使っていても、下地の処理や施工のやり方で仕上がりと持ちは変わります。
外壁塗装なら、下地をどこまで整えてから塗るか。浴室なら、解体したあとの防水をどう納めるか。商品名と金額だけでなく、施工の手順まで聞いてみてください。
4. 削られやすいのは、現場を回る手間
リフォームは、大工、電気、水道、内装と複数の職人が関わります。しかも新築と違って、お住まいのまま工事をすることも多い。誰がいつ入るのかを組み立て、仕上がりを確認し、お客様と打ち合わせる。この現場管理の手間は、完成した写真には写りません。
写らないので、削れば価格は下がります。完成した直後は、どちらもきれいに見えます。差が出るのは10年後、20年後です。
5. 「安い見積」より「分かる見積」を
いい見積とは、金額が安い見積のことではありません。読んで分かる見積のことだと思っています。
何が含まれているか。何が含まれていないか。どの商品を使うか。追加費用が出るとしたら、どういう場合か。工事のあとの保証とアフターはどうなっているか。これが書かれていれば、金額の意味を自分で確かめられます。
まとめ
見積を比べるときは、総額ではなく中身を並べてください。① 工事の範囲は同じか。② 撤去処分・下地補修・養生・諸経費は入っているか。③ 商品のグレードと施工の手順を確認したか。④ 追加費用が出る条件は書いてあるか。⑤ 保証とアフターまで含めて比べられているか。
極端に安い見積が、必ず悪いわけではありません。ただ、なぜ安いのかを説明してもらったうえで判断したほうが、あとで困りません。
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