注文住宅のメリットのひとつとして、間取りを自由に決められる点が挙げられます。
しかし、ただ自分好みの間取りにすることだけを考えて設計してしまうと、実際に暮らし始めてから、
「思っていたよりも住みにくい」
「不便に感じるところがいくつも浮き彫りになってくる」
といったことになりかねません。
そこで今回のロイマガでは、「快適な暮らしのための間取りの工夫」をテーマにお届けします。
これから注文住宅の間取りを決めようと思われている方は、ぜひチェックしてみてください。
住み心地のいい空間を作るためには、光や風をうまく取り入れられる間取りを意識することが大切です。
たとえば起床後、窓を開けて浴びる陽の光や風は気持ちのいいもの。
精神的に心地よく感じるだけではなく、健康面を改善する効果も期待できます。
「起きてすぐに陽の光を浴びることで体内時計が正常に働き、1日の生活リズムが改善される」
「太陽光を浴びることでビタミンDの分泌が促され、それによって骨の成長促進やがん予防といった効果が期待できる」
といったことがよく言われています。
そのほか、湿気がこもりにくく、カビが発生しにくい環境を作ることもできます。
では、日当たりや風通しを良くするためには、どのような工夫をするといいのでしょうか。
日当たりいい空間を作るためには、南側に窓を設置するのがおすすめ。
東西に窓を設置すれば、1年を通して陽の光が入りやすく、冬は暖房をつけずとも一定の暖かさを確保できます……が、夏場は逆に暑くなりすぎてしまい、快適さが失われてしまいます。
一方、南側に窓を設置すれば、夏場は直射光を遮りつつ十分な明るさを確保し、冬場は直射光をうまく取り入れることができます。
通気性を向上させるためには、風の通り道を作ることが重要です。
具体的には、窓と窓が対面する形にします。
可能であれば窓と窓の間になるべく障害物を置かず、風が一直線に吹き抜ける状況を作ってあげることをおすすめします。
1日の生活の中で、リビングやキッチン、トイレ、お風呂場、玄関を何回も行き来することでしょう。
その際に通る”線”、いわゆる生活動線の確保は、快適な生活のために欠かせない重要なポイントです。
理想は、主要スペース間の行き来がスムーズにできること。
部屋と部屋を行き来する際、狭いスペースを無理やり通らなければいけなかったり、別の部屋を経由して少し遠回りしなければいけなかったりすると、そこで不便さを感じてしまいます。
家族全員の1日の動きをイメージしつつ、それぞれが快適に動けるように生活動線を確保しましょう。
また、5年後や10年後、さらにその先のことも踏まえた生活動線を確保することがベストです。
この先、子供が増えても不自由のない生活動線、歳を重ねて足腰が悪くなったとしても差し支えのない生活動線を確保できていれば、快適な暮らしをより長く実現することができます。
デッドスペースとは、有効活用できない無駄な空間のことをいいます。
たとえば、三角形や台形の部屋の場合は、形次第で家具や家電を置くことのできない“鋭角すぎる角”が生じてしまいます。
また、開き戸を採用している場合は、室内や廊下に十分な開閉スペースを確保しなければいけません。
このようなスペースはすべて、デッドスペースに当たります。
少しでも広く快適に暮らすためには、デッドスペースを極力なくすことが必要不可欠です。
そのためのポイントは、「配置する予定の家具・家電にあわせて部屋のサイズを決めること」。
部屋の間取りを先に決めてから家具や家電を調達してしまうと、いざ配置するとなったときにどうしてもデッドスペースが生まれてしまいます。
設計の際にある程度、家具・家電のサイズを決めて間取り図に描き込んでみると良いでしょう。
コンセントの数や位置も、間取りを考えるうえで重要なポイントです。
何のイメージもなく適当に配置してしまうと、いざ生活を始めてから不便に感じることが出てくる場合があります。
場合によっては電気配線がゴチャゴチャしてしまい、部屋の中が汚らしく見えてしまうことも考えられます。
これについても、先に「どのような家電をどこに配置するのか」を決めたうえで考えるのがいいでしょう。
また、掃除機をかける際の動線を意識してコンセントの数や位置を決める、というのも有効な手段です。
最小限の動きで家全体を掃除できるように、あるいはコンセントを抜き差しする回数が極力少なくなるように数や位置を決めておけば、新居で送る新生活を快適に過ごせることでしょう。
いかがでしょうか。
今回は、
を例に挙げて、間取りを決める際に工夫したいポイントをまとめてみました。
より良い暮らしを実現するために、ぜひ参考にしてみてください。