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注文住宅を建てるなら無視できない「耐風等級」について

2021.05.21

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今回のテーマは「耐風等級」です。
「耐風」とは、いわば「耐震」の台風バージョン。
毎年、深刻な台風被害に見舞われる日本では、建物の耐風も欠かすことはできません。
耐風等級とは、そんな耐風の強さを表す基準のことです。
ここでは、耐風等級の基本についてまとめてみたいと思います。

■耐風等級とは?

耐風等級とは、「暴風・台風が発生した場合、家が耐えられるかどうか」のレベルを示すもの。
以前このコラムで取り上げた「耐震等級」と同じく、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められています。
耐震等級は「耐震等級3」が最高レベルですが、耐風等級は「耐風等級2」が最高レベルとなります。
では以下、耐風等級1~2についてそれぞれ見てみましょう。

○等級1

・「極めて稀(まれ)」といわれるレベルの台風に対して倒壊、崩壊などしない
・「稀(まれ)」といわれるレベルの台風に対しても損傷しない
といった強靭さを持つことを指します。
建築基準法では、新築の建物を建設する場合は最低限このレベルに仕上げることを定めています。

○等級2

・「極めて稀(まれ)」といわれるレベルの台風より1.2倍の台風に対して倒壊、崩壊などしない
・「稀(まれ)」といわれるレベルの台風より1.2倍の台風に対しても損傷しない
という強度を持つことを指します。

ちなみに、ここで「極めて稀」「稀」という表現を使いましたが、
【極めて稀】500年に1回レベルの台風
【稀】50年に1回レベルの台風
を想定しています。
「稀」といわれるレベルの台風は、秒速約37m、瞬間風速45.7mを記録した1959年の「伊勢湾台風」に相当します。
また、「極めて稀」といわれる台風は、秒速約60m、瞬間風速53mを記録した1991年の「りんご台風」に相当するといわれています。

■強風による負荷とは?

ここで、風がどういった影響を及ぼすか具体的に説明していきたいと思います。

【やや強い風】
瞬間風速20m程度で、樹木が揺れ、人は傘を差して歩けないレベルを指します。

【強い風】
瞬間風速20~30mで、シャッターが揺れ、人は風に向かって歩けないレベルを指します。

【非常に強い風】
瞬間風速30~40mで、建築物の屋根や看板が落下。
人は何かにつかまっていないと立っていられないレベルをさします。

【猛烈な風】
瞬間風速50~60mで、住宅の倒壊、半壊が発生。
車の運転、屋外の行動が危険といわれるレベルをさします。
なお風速50mの風は7tの圧が建物にかかる計算になるといわれており、台風が多い地域では「耐風等級2」以上が推奨されています。

■耐風は耐震とセットで考えよう

「日本は地震大国」とはよくいわれることで、注文住宅の防災対策といえば多くの人は「耐震」をイメージするかと思います。
しかし、特に近年は毎年のように大型の台風が日本列島を襲い、大きな被害をもたらしています。
日本は地震大国であり、同時に台風大国にもなりつつあるわけです。
そんな中で重要なのは、耐風と耐震をセットで考えること。
災害に強い注文住宅に仕上げるために、ぜひ参考にしていただければと思います。

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